彼岸の袋
「暑さ寒さも彼岸まで」という有名な一節そのままに、今年の春彼岸は天候に恵まれました。よかったです。
さて、海眼寺のお彼岸には「彼岸袋」というものがあります。
彼岸の前になると各地区の役員さんが、寺割(年会費)や彼岸講代の集金をしながら彼岸袋を配ります。檀家さんは彼岸になると彼岸袋にお米やお布施を入れて、海眼寺の本堂にお参りする、という習わしです。
ご本尊の前には彼岸袋がうずたかく積まれています。みなさん思い思いにお参りされ、彼岸袋をお供えしていかれます。
以前は彼岸袋のほとんどはお米でしたが、最近はお布施が多くなりました。右側の彼岸袋にはお米、左側にはお布施が入っています。
彼岸袋は各家専用のものがあり、それをずっと使っていただいています。袋は丈夫な和紙でできているので(見た目は汚れてきますが)大切に扱えば優に10年は持ちます。
彼岸袋の和紙は、おとなり綾部市の黒谷和紙さんでお世話になっています。黒谷和紙のなかでもだいぶ厚口の10匁前後の和紙を、海眼寺で裁断し封筒にしています。
最近は厚口の和紙を生産しているところもだいぶ少なくなりましたが、お米を入れて紐でしばるとなると、楮でできた厚口の和紙でなければすぐに破れてしまいます。黒谷さんにがんばってもらわなければ、海眼寺のお彼岸はとても困ったことになるのです……
こういうところでも、お寺は地域と共にあることを痛感する次第です。
【追伸】彼岸袋は黒谷和紙から普通の洋紙に変更となりました。(2019/9/1記)
0コメント